白泉社から毎月発行されている『MOE』という絵本の情報がたくさん詰まった雑誌があるのですが、その雑誌で2008年の絵本No.1を決める特集がありました。
対象は、全国の絵本屋さん、そして、読者(2008絵本ベスト30)です。
そこで、今月の特集は・・・第1回MOE絵本屋さん大賞で10位までに入った絵本(2007年10月~2008年10月発行の絵本が対象)を紹介しています。
順位は・・・第1位 くまとやまねこ
(湯本香樹実・作/酒井駒子・絵 偕成社)
2位 ちいさなあなたへ
(アリスン・マギー・文/ピーター・レイノルズ・
絵/なかがわちひろ・訳 主婦の友社)
3位 ちょっとだけ (瀧村有子・作/鈴木永子・絵 福音館)
4位 だるまさんが (かがくいひろし/作 ブロンズ新社)
5位 100かいだてのいえ (いわいとしお/作 偕成社)
6位 ぼくがラーメンたべてるとき
(長谷川義史/作 教育画劇)
7位 バルバルさん (乾栄里子・作/西村敏雄/絵 福音館)
8位 うえきばちです (川端誠/作 BL出版)
9位 こりゃまてまて (中脇初枝・文/酒井駒子・絵 福音館)
10位 しずかに!ここはどうぶつのとしょかんです
(ドン・フリーマン・作/なかがわちひろ・訳 BL出版)
どの絵本も作家さんそれぞれの個性が魅力たっぷりに出つくされていて、順位なんて決められませんね(^_^)
順位はきっとつけがたかったのでしょうが、上記のような結果になりました。
今日は、この中の絵本で私のお気に入り絵本を3冊紹介したいと思います。
1冊目は、『ちょっとだけ』(福音館)です。
赤ちゃんが産まれてお姉さんになった なっちゃんのお話。
赤ちゃんのお世話に忙しくしているお母さんを思って、自分でできるように頑張っているなっちゃん。
「もうおねえちゃんだから、おひるねしないもん。」
・・・でも、ねむたくなって、お母さんに「ちょっとだけだっこして・・・。」と言うなっちゃんに、お母さんは言います。
「ちょっとだけじゃなくて いっぱいだっこしたいんですけど いいですか?」
その時だけは、赤ちゃんに我慢してもらって、なっちゃんは、いっぱい抱っこしてもらいました。
お母さんのやさしい心にほっと心が温まります。
また、一生懸命にお姉ちゃんになろうとするなっちゃんの姿が、とっても愛らしくて、思わずぎゅっとだきしめてあげたくなります。
お姉ちゃんになっても本当はお母さんに甘えたい・・・そんな気持ちが「ちょっとだけ」という言葉で、うまく表現されていると思います(^_^)
2冊目は、『ちいさなあなたへ』(主婦の友社)です。
すべてのお母さんとその子どもたちに向けたメッセージ。
やさしいタッチの絵と、やさしく語りかけてくれる言葉がすごくいい!
お母さんの深い愛情が伝わってくる絵本です。
私も母になって感じた子どもへの思いと重なって、読んでいるうちに自然と涙があふれてきました。
産まれたときの幸せ、子どもが成長していく喜び、手を離れていく時のさみしさ、いとしい子どもの将来への思い・・・。
とてもシンプルで、短い言葉なのに、母親の気持ちを見事に表現してあり、読む人に感動を与えてくれます。
日本語版の文字は、「ふつうのお母さんが日常の中でふと書きとめたような文字」に、配置もイラストに溶け込むようにと 何度も試して、工夫して、決められたそうです。
細かいところまで、こだわって大事につくられたんだな・・・と感じられる絵本です。
3冊目は、『しずかに!ここはどうぶつのとしょかんです』(BL出版)です。
「くまのコールテンくん」でお馴染みの、ドン・フリーマンによるこの絵本は、1969年にアメリカで初版が刊行されました。
図書館が大好きなカリーナは、思います。
「わたしがとしょかんのひとだったら、どうぶつだけがとしょかんにはいれるとくべつなひを つくるのに・・・。」
カリーナが待っていると、カナリア、ライオン、クマ・・・・たくさんの動物たちがやって来ました。
最後にねずみもやって来て、ちょろちょろ走り回るので 図書館は大騒ぎ!!
カリーナの図書館は一体どうなってしまうのでしょう。
空想の世界で、しっかり遊ぶ子どもの姿が生き生きと描かれています。
手をパタパタさせて、元気よく図書館から出ていく最後のページに カリーナのウキウキする楽しい気持ちが感じられます(^_^)
カリーナみたいな子どもは本当にすてき!
子どもと一緒に読んで楽しみたい絵本です。
この3冊の他にも、紹介したい絵本はたくさんあるのですが、今日は、この辺で。
2月も引き続き、特集をしていますので、ぜひご覧ください。
yume-ma